相続税申告の添付書類の最新情報を解説!戸籍謄本はコピーでも可能に

相続税申告 添付書類

相続税の申告書が無事に完成したら、税務署に提出すべき添付書類が気になることと思います。

平成30年の税制改正で相続税申告の添付書類の範囲が広がったことはご存知でしょうか?

平成30年4月1日以後に提出する相続税の申告書については、戸籍謄本のコピーでも可能となったのです。

添付書類の緩和のように思えますが、相続税申告の添付書類を簡単に考えるのは危険です

なぜならば、小規模宅地等の特例などの特例を受ける場合には、適用するための添付書類が厳密に定められているからです。

添付書類がないばかりに特例の適用を受けられないというのは非常に不幸ですよね。

こで今回は、相続税申告の添付書類についてケース別にご案内いたします。

相続税申告の添付書類をしっかりと理解し、必要な添付書類は漏らさないようにしてください。

 

1.重要な添付書類は漏れなく添付する

まずは重要な添付書類をご紹介します。

法律で提出が義務付けられているものや相続税申告に不可欠なものが該当します。これらは必ず添付を漏らさないようにしてください。

一般的な相続税申告に必要となる添付書類についてご案内します。

  1. 全ての方が添付すべき書類(配偶者の税額軽減含む)
  2. 小規模宅地等の特例(居住用)
  3. 相続時精算課税適用者がいる場合

これら以外に他の特例の適用を受けている方は別途必要となる書類があることがあります。国税庁ホームページでご確認ください。

参照:国税庁

1-1.すべての方が添付すべき書類

一般的に必要となる最低限の添付書類は以下の5つです。

  1. すべての相続人を明らかにする書類
  2. 遺産分割協議書又は遺言書の写し
  3. 印鑑証明書
  4. マイナンバーの番号確認書類
  5. マイナンバーの身元確認書類

配偶者の税額軽減の適用を受ける場合や、配偶者が小規模宅地等の特例の適用を受ける場合であっても、これら最低限の添付書類を満たせば大丈夫です。

詳細については一つずつご説明をします。

1-1-1.すべての相続人を明らかにする戸籍謄本等

相続人が誰なのかを添付書類にて明らかにする必要があります。

税制改正によって平成30年4月1日以後は、以下のいずれかを提出すればよいこととなりました。

  1. 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人となる方の戸籍謄本で死亡後10日経過後に取得したもの
  2. 図形式で作成された法定相続情報一覧図の写しで実子又は養子の別が記載されているもの
  3. 1又は2を複写したもの(コピー)

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人となる方の戸籍謄本が一般的ですね。不動産登記や相続手続きでも必要となるため、皆さん既に取得されていることと思います。

これまでも戸籍謄本のコピーを提出していたケースは多かったものと思われます。提出後に税務署から電話があり原本の提出を求められたという話やコピーでも問題なかったという話を聞いたことがあります。

平成30年4月1日以後は、堂々とコピーを提出すればよいわけです。

法定相続情報一覧図とは、平成29年5月29日から開始された新しい制度です。

参照:法務省

不動産の相続登記や金融機関等での相続手続きに利用されていますが、これまでは相続税の申告には利用することができませんでした。

相続税の計算上、養子の数には制限が設けられています。相続人となる子が実子か養子なのかがこれまでの法定相続情報一覧図には明記されていなかったからです。

平成30年4月以後の法定相続情報一覧図には続柄を記載することができるよう改正が行われ、このたび相続税申告書の添付書類にできることになりました。

 

1-1-2.遺産分割協議書または遺言書の写し

誰がどの財産を取得したのかがわからないと相続税が計算できません。

遺言書がない場合には、遺産分割協議書を作成していることと思います。

これらはコピーの提出で問題ありません。

<遺産が未分割の場合>
遺言書がなく申告期限までに遺産分割が決まらなかった場合であっても相続税の申告書は提出しなくてはいけません。

 

遺産が未分割の場合には、法定相続分に応じた相続税をそれぞれの相続人が支払うことになります。

 

このような場合には、遺言書も遺産分割協議書もありませんので相続税申告書に添付する必要はありません。

 

未分割の場合には配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は適用することができません。

 

後日遺産分割が決まった後にこれらの特例の適用を受けようとする場合には、『申告期限後3年以内の分割見込書』を相続税申告期限までに税務署に提出しておく必要があります。

 

申告期限後3年以内の分割見込書は国税庁のホームページで入手可能です。

参照:国税庁

1-1-3.印鑑証明書

遺産分割協議書に押印をした相続人の印鑑証明書を相続税申告書に添付する必要があります。

3か月あるいは6か月以内に取得したのなどの制限はありません。相続後に取得した印鑑証明書であれば問題ありません。

 

1-1-4.マイナンバーの番号確認書類

相続税申告書には相続等によって財産を取得した方の個人番号(マイナンバー)を記載する必要があります。

番号確認書類として以下のいずれかを申告書に添付する必要があります。

  1. マイナンバーカード(裏面)のコピー
  2. マイナンバー通知書のコピー
  3. マイナンバー入りの住民票の写し

マイナンバーを記載していないという理由で相続税の申告書を税務署が受理しないということはありませんが、法律で決まっている義務ですのでマイナンバーの記載と必要な添付書類は漏らさないようにしてください。

相続税申告におけるマイナンバーの取り扱いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

『相続税申告におけるマイナンバーの取り扱いを完全解説【記載例付き】』

 

1-1-5.マイナンバーの身元確認書類

マイナンバーの所持者であることを証明するため身元確認書類コピーの添付が必要となります。

国税庁では以下のような書類を身元確認書類として案内しています。

  1. マイナンバーカード(表)
  2. 運転免許証
  3. 身体障害者手帳
  4. パスポート
  5. 在留カード
  6. 健康保険証

このほかにも一般的に本人確認書類と扱われているものであれば問題ありません。

相続税の申告書を税務署に提出に行かれる方は、書類の添付に代えて書類の提示でもよいこととなっています。

 

1-2.小規模宅地等の特例(居住用)

配偶者の方や同居されていた親族の方が小規模宅地等の適用を受ける場合、原則として別途添付すべき書類はありません

同居親族の方の場合には住民票の写しが必要とされていたのですが、マイナンバーがある方の場合には提出が不要となったからです。

以下のような場合には、別途添付する書類が必要とされますのでご注意ください。

  1. いわゆる『家なき子』が特例の適用を受ける場合
  2. 亡くなった方が老人ホーム等に入居されていた場合

 

1-2-1.いわゆる『家なき子』が特例の適用を受ける場合

亡くなった方の相続人のうち配偶者も同居されていた親族もいない場合には、別居していた親族(いわゆる『家なき子』)が小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

亡くなる前3年以内に自己や配偶者の持ち家に住んでいなかったことが条件であり、この事実を証明する書類を申告書に添付する必要があるのです。

具体的には以下のような書類を添付すれば大丈夫です。

  1. 自宅借家の賃貸借契約書
  2. 自宅建物の登記簿謄本

今の家に3年以上住んでいない場合には、その前の家の書類も必要となります。

『亡くなる3年以内に持ち家に住んでいなかったこと』を証明する必要があるからです。

亡くなる前3年以内の住所がどこであるかの証明は不要です。マイナンバーがある方の場合、住所情報を証明するための書類は提出不要だからです。

 

1-2-2.亡くなった方が養護老人ホーム等に入居されていた場合

要介護認定や要支援認定を受けていた方で養護老人ホーム等に入居されていた方が亡くなった場合、元の自宅の敷地について小規模宅地等の特例の適用を受けることができる場合があります。

このような場合には、以下の書類を別途申告書に添付する必要があります。

  1. 亡くなった方の戸籍の附票の写し(相続開始以後に作成されたもの)
  2. 介護保険の保険証や障害者福祉サービス受給者証の写し
  3. 入居していた施設の契約書の写し

 

1-3.相続時精算課税適用者がいる場合

生前に相続時精算課税を適用して財産の贈与を受けていた方がいる場合、別途以下の書類の添付が必要です。

  1. 亡くなった方の戸籍の附票の写し
  2. 相続時精算課税適用者の戸籍の附票の写し

いずれの書類も、相続開始以後に作成されたものが必要となりますのでご注意ください。

 

2.その他参考書類も添付しよう

残高証明書等の参考書類は相続税申告書に添付することをお勧めします。

しっかりと作成していることをアピールできれば、相続税の税務調査の対象となる可能性を少しでも減らすことができると考えるからです。

申告書作成の根拠を漏れなく添付した申告書と、全く添付しない申告書とがあった場合、どちらに税務調査に行きたくなるかは安易に想像ができますよね?

相続財産ごとにどのような書類を添付したほうがいいのかご案内します。

<評価明細書は当然に添付する>
相続財産のなかに土地や自社株等の未上場株式がある場合には、評価明細書を作成されていることと思います。

これらはいわば相続税申告書の一部と言えますので、当然に提出が必要となります。

土地評価明細書をまだ作成されていない方は以下の記事を参考にして作成をしてみてください。

『【自分でかんたん!】土地の評価明細書を作成して申告の要否を検討!』

 

2-1.不動産に関する書類

土地や建物等の不動産がある場合には、以下書類を添付するようにしましょう。

  1. 住宅地図等の写しで不動産の所在がわかるもの
  2. 公図
  3. 不整形地等の評価の前提となる土地の測量図等
  4. 路線価図
  5. 登記簿謄本

インターネットからPDFで取得した公図や登記情報でも全く問題ありません。

これらはすべて添付義務がある書類ではないからです。コピーで問題ありません。

2-2.金融資産に関する書類

金融資産の場合、亡くなった日時点の残高証明書を添付するといいでしょう。

漏れなく金融資産を調べているとアピールすることができます。

残高証明書を取得することで、手元に見つからない銀行口座等が見つかる場合があるからです。

とはいえ、残高が数百円で同じ銀行内に他の口座がないことが確実な場合には、あえて残高証明書を取得しなくても問題ありません。

2-3.生命保険等に関する書類

生命保険で相続税の対象となるものは以下の2通りです。

  1. 死亡保険金
  2. 生命保険契約に関する権利

死亡保険金の場合、保険金支払いのお知らせ等の書類を添付することをお勧めします。

生命保険契約に関する権利とは、亡くなった方が保険料を支払っていた保険のうちまだ保険事故が発生していないものをいいます。

具体的には、孫を被保険者とした養老保険などです。保険というより預金の延長で考えている方も多いことともいます。これらは亡くなった時点の解約返戻金が相続税の対象となるのです。

亡くなった日時点の残高証明書(解約返戻金証明書)が取得できればその書類を添付してください。

保険会社や保険代理店等が作成してくれたメモなどでも問題ありません。

2-4.未上場株式に関する書類

家族等が経営する会社がある場合、評価に必要な情報がわかる以下のような書類を添付するようにしてください。

  1. 会社の登記事項証明書
  2. 過去3年分の法人税申告書
  3. 過去3年分の決算報告書

会社が保有する土地や生命保険等がある場合には、それらの資料も添付することをお勧めします。

2-5.債務、葬式費用に関する書類

借入金がある場合には、残高証明書を添付するようにしてください。預金の残高証明書を取得していれば借入金の残高証明書も入手されていることと思います。

その他の債務や葬式費用については、領収書コピーを添付することをお勧めします。

お布施や心付け等、葬式費用については領収書がないものも多いと思います。これらは特に添付しなくても結構です。

控除できる債務、葬式費用を改めて確認してみたい方は以下の記事をご参照ください。

『【損をしない!】債務控除を漏れなく申告し相続税負担を軽減する方法』

『【事例付】控除可能な葬式費用を漏れなく控除して相続税を軽減しよう』

 

3.まとめ

相続税申告の添付書類についての最新情報をご案内いたしました。

重要な添付書類は漏れなく添付するようにしてください。

一般的に使われる特例については添付書類をご案内しました。その他の特例を受ける場合にはそれぞれ必要となる添付書類を調べて漏れがないようにしてください。

申告書を作成するための参考書類は必ずしも添付義務がある書類ではありませんが、添付することをお勧めします。

税務署に疑問を持たれないことが重要です。

しっかりと根拠となる資料を添付して少しでも税務調査の対象となる可能性を減らすようにしてください。

 

相続税の申告は、吉川昌利税理士事務所にお任せください。

東京や神奈川で相続税申告を税理士に依頼しようとお考えのお客様は、ぜひ吉川昌利税理士事務所にお任せください。

平成28年6月に横浜で開業したばかりの新しい事務所ですが、所長の吉川昌利は大手税理士法人にて主に相続対策業務を中心に12年間キャリアを積み重ねてきました。

相続税の申告のみでなく、相続対策のご提案も積極的に行なっております。

税理士2名と事務スタッフ1名の小さな事務所ですが、お客様の対応は全て所長の吉川昌利が責任を持って行います。

相続税の申告のために税理士をご検討中の方は、まずはお気軽にご連絡ください。