会社員が確定申告すべき場合&還付を受けるための申告を徹底解説!

会社員の確定申告

会社員の方の場合、ご自分の税金について普段それほど考える機会はないのではないでしょうか。

確定申告をする必要があるにも関わらず何もしないでいると、ある日突然税務署から税務調査の連絡が来るかもしれません。

申告漏れが指摘された場合、本来支払うべき税金はもちろんのこと、加算税や延滞税などのペナルティを支払うことになるのです。悪質な場合には重加算税として税金が40%増しとなるのです。

さらに最悪の場合には、脱税として犯罪者となってしまいます。10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、場合によってはその両方が課されることとなります。

脱税は犯罪です

知らないということは本当に恐ろしいですよね。

今回は会社員の方向けの確定申告についてご案内します。どのような場合に確定申告をしなくてはいけないのかをまずはしっかりとご理解ください。税金の還付を受けるために確定申告をした方が良い場合もご紹介します。確定申告の手続きも丁寧にご説明しますので参考にしてください。

確定申告をしっかりと理解して、人生を狂わせないようにしてください。

 

<この記事の使い方>
この記事では会社員の方を対象に主に以下の3点の解説をしております。

  1. 確定申告すべき場合(義務)
  2. 確定申告した方が有利な場合(任意)
  3. 確定申告書の作成方法

この記事の全体像

ご自分に関係ありそうな部分や興味のある部分を下の目次を使って読み進めてください。

 

1.会社員が確定申告すべき場合

会社員が確定申告しなくてはいけない場合をご紹介します。一般的には次の2点です。

  1. 給与収入が2,000万円超の場合
  2. 主な給与(退職金含む)以外に20万円超の給与収入や他の所得*がある場合

一つずつご説明していきますので該当しそうなものは必ず確認するようにしてください。

*適正な税額が源泉徴収されているもので確定申告が不要なものについてはたとえ20万円超の所得があっても確定申告は不要です。

以下のような所得がこれに該当します。
・銀行預金の利子、公社債の利子
・源泉徴収ありの特定口座での株式等の売却益
・上場株式等の配当
・未上場会社の配当で1銘柄につき年間10万円以下のもの

<退職金も確定申告不要>
退職金にも所得税等の税金が課税されます。退職金を受け取る際にも税金が徴収されますので、原則として確定申告は不要となります。

 

退職の際に『退職所得の受給に関する申告書』を提出している場合には、適正な税額が徴収されることになっているためです。

 

退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合には、確定申告で税金の精算をする必要があります。

 

この書類の提出がない場合には一律で20.42%の所得税が徴収されることになっており、個々の勤続年数等を考慮した適正な税金と差額が生じてしまうからです。

1-1.給与収入2,000万円超のエリート

給与の収入が2,000万円を超える方の場合、確定申告をする必要があります。これは1月から12月までの給与と賞与合わせた金額で判断することになります。

会社から源泉徴収票をもらっているかと思いますので確認をしてみてください。手取りの収入ではありませんのでご注意ください。税金や社会保険等を控除される前の収入で判断をします。

収入で判断

年収2,000万円以下の会社員の場合には、年末調整という手続きを会社が行うことで1年間の給与にかかる所得税が精算されるのです。

本来であれば全ての国民に確定申告をしてもらうべきなのでしょうが、全ての会社員に確定申告書を作成させてそれをチェックするのは国民にとっても税務署にとっても大きな負担となります。

そこで、ごく限られた年収の方以外は確定申告しなくてもよい仕組みとしているのです。

 

1-2.20万円超の副業収入、他の所得がある場合

副業の給与収入とその他の所得の合計が20万円を超えている場合には確定申告をする必要があります

年収2,000万円以下の会社員の方の場合、本業の給与収入以外の所得がない場合には確定申告をする必要がありません。年末調整で1年間の税金が精算されているからです。

会社員の方の場合、副業が少額な場合には確定申告しなくてもよいルールとなっています。アルバイトのような給与の収入と給与以外の所得の合計が20万円以下であれば確定申告をしなくても良いのです。

 

<収入と所得の違い>
収入とは売上のことで所得とは利益(儲け)のことです。

アルバイトのような給与の場合には、収入が20万円超ある場合には確定申告が必要となります。

給与以外の所得の場合には、所得(儲け)が20万円超ある場合に確定申告が必要となるのです。

副業の給与収入と他の所得がある場合には、これらの合計が20万円超ある場合に確定申告が必要となります。

収入と所得

所得があることに気がつかないこともありますので、具体的に一つずつご説明いたします。気になるものは確認してみてください。

 

<所得の具体例9つ>

会社員で確定申告が必要となる所得の具体例を9つご説明します。ご自身で気になるものがありましたら一つずつ確認をしてみてください。

1つずつの所得が20万円以下であっても、これらの合計が20万円を超える場合には確定申告が必要となります。

・会社以外でのアルバイト、パート収入
・仮想通貨の売却益
・生命保険の解約で利益が出た場合
・土地、建物を売却して利益が出た場合
・上場株式等の売却益
・FX、商品先物の売却益
・不動産の賃貸収入がある場合
・週末起業等をしている場合
・原稿料、報酬等がある場合

<注意点>
20万円以下の所得は申告しなくてもいいというわけではありませんのでご注意ください。

会社員の方でこれら所得の合計が20万円以下であれば確定申告をしなくてもよいということなのです。

確定申告をする場合には、金額の多寡にかかわらずこれら所得も申告する必要があります。勘違いが多いところですので間違えがないようにしてください。

<所得税の仕組み>
個人の所得税の大きな特徴として、累進税率による暦年課税と所得区分ごとの課税ルールがあります。

 

個人の所得については、1月1日から12月31日までの暦年で計算を行います。暦年の所得が多くなるほど税率も緩やかに高くなっていくのです。これを超過累進税率といいます。

 

 

超過累進税率

 

 

 

 

所得がある時点を超えてしまったために税金が急激に高くなり手取りが減るということがない仕組みになっているのです。増える所得の範囲内で税金が増えていくとご理解ください。

 

所得の内容によって所得税法では所得区分を定めています。所得の種類ごとに課税のルールがあるのです。例えば、数十年勤めた会社からもらった退職金に給与と同じようなルールで税金を課税することは適切ではありませんよね。

 

個人の所得は以下の図のように大きく10種類に分かれています。

 

所得税の仕組み

 

 

所得の課税方法は総合課税と分離課税とに分かれます。

 

総合課税とは所得を合算して超過累進税率を適用して税金を計算する方法です。分離課税とは、他の所得とは区分してその所得に対して一定の税率を適用して税金を計算する方法です。

 

会社員の方の場合、まずは本業の給与以外の所得の合計が20万円超となっているかどうかを確認してみてください。20万円超の場合には確定申告が必要となります。

 

申告書の作成にあたっては、ご自分の所得がどの所得区分に該当するのかをまずはご理解ください。所得区分がわからないとどこに記載すれば良いのかがわからないので申告書の作成を正確に行うことができなくなってしまうからです。

 

1-2-1.会社以外でのアルバイト、パート収入(総合課税・給与所得)

会社員の方でアルバイトやパートの副業収入がある場合、年間の副業給与収入の合計が20万円超ある場合には確定申告が必要となります。

仕事が休みの土日にアルバイトをしているような場合です。絶対にバレないから申告する必要ないなんて考えていませんか?

給与の支払者(会社や個人事業主)は、年間に支払った給与を市区町村に通知することになっています。毎年1月31日までに前年に支払った給与について、従業員の方の住所地の役所に給与支払報告書を提出することになっているのです。

給与支払報告書とは、源泉徴収票と同じ内容です。絶対にバレないなんて誤解しないできちんと申告をするようにしてください。

<年末調整を間違えた場合>
会社員の方は年末調整についてご存知のことと思います。年末調整の内容が間違えていた場合には会社に計算のやり直しをお願いするようにしてください。

 

扶養であると会社に申告していた配偶者が実は103万円以上の給与収入があったような場合です。

そのままにしておくと会社に税務署から会社に連絡が来てしまうのです。『従業員の××さんの奥さんは配偶者控除の対象ではありませんので追加の税金を払ってください』となってしまいます。

給与を支払う会社は適正な税金を従業員から徴収して国に納付する義務があるためです。

 

年末調整のやり直しとして確定申告をされるかたもいらっしゃいますが、年末調整のやり直しを会社にお願いするようにしてください。年末調整を間違えたままにするのは会社の事務処理として正しいものではありませんし、確定申告をしない方が手続きが楽で済むからです。

1-2-2.仮想通貨の売却益(総合課税・雑所得)

平成29年はビットコインをはじめとする仮想通貨の大きな値上がりがありました。仮想通貨の売却益にも税金がかかってきますのでご注意ください。

朝日新聞によりますと、国税当局はビットコイン長者のリストアップに着手しているとのことです。国には調査権があります。決して甘くみてはいけません。

参照:朝日新聞 ビットコイン長者、国税がリストアップ着手 税逃れ対策

バレないなどと決して簡単に考えないでください。最終的に損をしてしまい手元にお金が一切無くなったとしても、利益が出ているかどうかは年ごとに判断を行います。

所得は年ごとに判断

多額の利益が出たにも関わらず確定申告をしなかった場合には、税務署から税金を支払うよう求められます。儲かったことなど忘れた頃に税金の支払いが襲いかかってくるのです。

仮想通貨の所得は大きく分けて次の2点となります。

  1. マイニング(発掘)による報酬
  2. 仮想通貨の値上がり益

マイニングとは仮想通貨の管理に協力したことによって得られる報酬です。マイニングによって得られた仮想通貨の時価からマイニングにかかった経費を控除したものが所得となります。

なかなか分かりづらいのが仮想通貨の値上がり益です。考え方は為替差益と同様の考え方になります。

値上がり益の認識には取引所からお金を引き出しているかどうかは関係がありません。仮想通貨の所得は以下のような場合に発生することとなります。

・仮想通貨を換金した場合
・仮想通貨を別の仮想通貨に交換した場合
・仮想通貨で買い物などをした場合

これらの行為があった場合に所得が発生することになります。仮想通貨を取得した時点の時価とこれらの行為をした時点の時価の変動による差益が所得となるのです。

 

一方で含み益には課税が行われません。1ビットコインを購入してそのまま引き続き保有をしているような場合には、所得があることにはならないのです。

取引の多い方は大変だと思いますが、年間の取引履歴を確認してみてください。

他の所得とあわせて20万円超の所得があれば確定申告をする必要があるのです。

<仮想通貨で損をした場合>
仮想通貨の所得は雑所得となります。雑所得で損失が出た場合には他の総合課税の雑所得とのみ通算をすることが可能です。

 

仮想通貨の売却益と売却損は当然に合算して所得を計算することができるのです。

仮想通貨Aで100万円の利益がでて、仮想通貨Bで90万円の損失が出た場合には、年間の雑所得は10万円となります。

会社員の方の場合、これ以外に所得がなければ確定申告をする必要はありません。

 

雑所得の損失は他の所得とは通算することができません。仮想通貨で年間100万円の損失を出したとしても給与所得と通算をすることができないのです。現状の法律では、翌年以後に損失を繰越すこともできません。

1-2-3.生命保険の解約で利益が出た場合(総合課税・一時所得)

生命保険を解約した場合にも税金が課税される場合があります。

終身保険や養老保険等の掛け捨てではない生命保険を解約した場合には解約返戻金を受け取ることになります。

保険解約時には税金に注意

これまで支払ってきた保険料を上回る解約返戻金は、一時所得として所得税の対象となるのです。

解約返戻金を受け取らずにそのまま新たな保険の保険料として支払った場合であっても同様です。手元にお金が振り込まれていない場合であっても所得が出ていることになりますので注意してください。

一時所得にかかる税金は一般的に他の所得と比べて軽減されています。年間で50万円の特別控除額を控除した金額が一時所得の金額とされるからです。

さらに一時所得は、所得の1/2の金額を給与等に合算して税金を計算することになっているのです。

一時所得の具体例

上記図の事例の場合、これまで支払ってきた保険料を上回る解約返戻金があります。しかし、50万円の特別控除を考慮すれば一時所得は0円となるのです。

会社員の方で他の所得が20万円ない場合には、確定申告をする必要はありません。

特別控除は最大で年間50万円です。保険の解約が複数あった場合でも合計で50万円しか控除できませんのでご注意ください。

 

<一時所得の損失は切り捨て>
一般的に一時所得は税金が軽減されているといわれています。

ところが、損失が出ている場合には他の一時所得の金額とは通算することができないのです。一時所得の損失は切り捨てされてしまうのです。

 

保険の解約が年間に2つあった場合、一方が利益が出ていてもう一方の保険は損失であったとしても両者を通算することができないのです。

 

競馬の払戻金も一時所得となります。ハズレ馬券が経費に該当するか争われた裁判をご存知の方もいらっしゃると思います。これは一時所得で経費が認められたのではなく所得の区分が争われていたのです。

 

営利を目的として継続的に行なっている取引は一時所得ではなく雑所得であるとしてハズレ馬券の購入費用は雑所得の必要経費と認定されたのです。

1-2-4.土地、建物を売却して利益が出た場合(分離課税・譲渡所得)

不動産を売却した際に利益が出ている場合には、売却益に対して税金がかかります。

土地建物の譲渡所得は他の所得とは区分して税金を計算することになっています。これを分離課税といいます。

売却をした年1月1日において所有期間が5年を超えているか否かによって長期譲渡所得と短期譲渡所得とに分かれてきます。長期譲渡所得には20.315%、短期譲渡所得には39.63%の税金が課税されるのです。

土地の譲渡

4,000万円で売却した不動産があったとしても、取得費や譲渡費用の合計が4,000万円を超えている場合には売却益はありません。所得がないので税金は発生しませんし、確定申告をする必要はありません。

取得費とは購入した時の購入金額を基礎とします。建物の取得費は購入金額から毎年の価値の減少分を減価の額として控除して計算することになっています。詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。

参照:建物の取得費の計算

相続や贈与で取得した不動産の場合、取得費を元の所有者から引き継ぐことになります。先祖代々の土地のように取得金額がわからない場合には、売却金額の5%を取得費として申告をすることも可能です。

 

不動産の譲渡所得金額は、原則として他の所得との通算は認められていません。不動産の譲渡によって損失が出た場合であっても原則として損失を繰越することはできません。(例外はあります。以下の特例を参照ください。)

土地建物の譲渡があった場合には税理士に相談することをお勧めします。土地建物の譲渡所得については各種特例がありルールが複雑となっているからです。

土地建物等の譲渡所得の特例の代表的なものとして以下のようなものがあります。二重適用できないものが多くどの特例を適用するのか選択をする必要があるのです。確定申告の際に適用する選択をしなかった特例については『やっぱり適用します』と後からやり直しをすることができません。

・自宅不動産の売却益から3,000万円控除可能な特例
・自宅を買換した場合の譲渡損失を給与等と通算・繰越控除できる特例
・自宅不動産の売却益の税率を軽減することができる特例
・収用等による不動産の売却益から5,000万円控除が可能な特例
・土地区画整理事業のための不動産売却益から2,000万円控除が可能な特例
・収用等による不動産の売却益の税率を軽減することができる特例
・収用等で不動産を買換えた場合に課税を繰延することができる特例
・平成21年から22年に購入した不動産の売却益から1,000万円控除可能な特例
・相続で取得した不動産を売却する場合に相続税相当を取得費に加算できる特例
・相続で取得した空き家の売却益から3,000万円控除可能な特例

1-2-5.上場株式等の売却益(分離課税・譲渡所得)

株式等の譲渡益にも税金がかかります。一般口座や源泉徴収のない特定口座での株式等の売却益は原則として確定申告が必要となります。

株式等の譲渡所得の金額は給与等の所得とは分離して課税されることとなっています。地方税や復興税あわせて株式等譲渡所得の金額には20.315%の税金が課税されます。

会社員の方の場合、他の所得と合わせて20万円超の所得がなければ確定申告をしなくても良いのです。

特定口座で源泉徴収ありの証券口座の場合には確定申告が不要です。年間の株式等の売却益の税金が特定口座内で精算されるからです。損失がでてしまった場合には確定申告をして上場株式の配当金額との通算や翌年以後に損失を繰り越すことも可能です。詳しくは『2-3.株式等の譲渡損失がある場合』でご説明します。

<3種類の確定申告>
所得税の確定申告は、法律上3つの種類に分かれています。
・確定所得申告(義務)
・還付等を受けるための申告(任意)

・確定損失申告(任意)

 

確定所得申告とは、年間の所得税額の合計額が配当控除の額と年末調整にかかる住宅借入金等特別控除額の合計額を超えるときに提出が義務付けられています。

 

会社員の方で副業が20万円を超えている場合には翌年の2月16日から3月15日までの間に確定所得申告書を提出して所得税の納税をする必要があります。

 

還付等を受けるための申告は、確定所得申告書を提出すべき場合または確定損失申告書を提出できる場合以外で還付を受けるために提出することができる確定申告のことをいいます。

 

会社員の方で医療費控除や寄附金控除を受けるために提出する申告書がこれに該当します。還付等を受けるための申告は翌年の1月1日から5年間提出が可能です。

 

確定損失申告とは、純損失の金額や雑損失の金額を翌年以後に繰り越すための申告をいいます。純損失とは事業所得や不動産所得の赤字の金額のうち他の所得と通算しきれなかった損失のことをいいます。雑損失とは災害・盗難・横領によって損失を受けた金額のうち所得控除(雑損控除)しきれない金額のことをいいます。

 

これらは翌年以後3年間の繰越をすることができるのです。確定損失申告は翌年の2月16日から3月15日までに提出する必要があります。

 

純損失も雑損失もない方がほとんどかと思います。

 

会社員の方であれば、税金を支払う申告は翌年3月15日まで、還付の申告は5年以内とご理解ください。

1-2-6.FX、商品先物取引の雑所得(分離課税・雑所得)

FXや商品先物取引の所得も上場株式等の譲渡益と同様に税金がかかります。商品先物取引にかかる雑所得等の金額に対しては、他の所得とは区分して20.315%の税金が課税されます。

商品先物取引で損失が出た場合、他の所得と通算することはできません。

確定申告をすることで3年間損失を繰越すことが可能となります。損失が生じた年の翌年以後3年間、商品先物取引等の雑所得の金額が出た場合には今回の損失の金額と相殺することができるのです。

損失の繰越をするためには確定申告をする必要があります。

 

1-2-7.不動産の賃貸収入がある場合(総合課税・不動産所得)

不動産の賃貸収入は不動産所得となります。給与等の所得と合算をして所得税を計算します。

不動産所得で税金が発生する方の場合、青色申告をお勧めします。青色申告とは、事前に税務署に承認申請書を提出することで、青色申告特別控除10万円を受けることができるのです。賃貸物件が5棟または10室以上ある場合には会計ソフト等を利用して経理することで65万円の控除を受けることも可能です。

青色申告の承認申請は、原則として適用を受けようとする年の3月15日までに提出する必要があります。初めて賃貸不動産を購入された会社員の方の場合、賃貸業務開始後2ヶ月以内に提出することも可能です。詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。

青色申告制度

不動産所得で損失が出た場合には、給与等の他の所得から通算をすることができます。これを損益通算といいます。土地を取得するための借入金の利子がある場合、その利息相当額の損失は損益通算することができません。

他の所得と通算してもなお損失が残る場合、青色申告をしている場合には『純損失』として翌年以後3年間の繰越をすることが可能です。給与所得を上回るほどの不動産所得の損失がある方は少数だと思いますが、青色申告の承認を受けておいた方が安心ですね。

 

1-2-8.週末起業等をしている場合(総合課税・雑所得or事業所得)

会社に属さずご自身で事業を行っている場合の所得は事業所得となります。八百屋さんやクリニック等を個人開業しているような場合です。

会社員の方の週末起業の場合、一般的には雑所得となります。給与以外の他の所得とあわせて20万円以下であれば週末起業の所得があっても確定申告する必要がありません。

週末起業であっても、給与や役員報酬として受け取っているものについては給与所得となりますのでご注意ください。

店舗を構えていたり従業員等を雇用して事業的規模で事業を行なっている場合には会社員の方の場合であっても事業所得となります。

事業所得の場合、不動産所得と同様に青色申告の承認を受けることで青色申告特別控除等の特例を受けることが可能です。

週末起業で損失が出ている場合は注意が必要です。雑所得の損失は他の所得との通算はできないからです。

事業所得であれば他の所得との損益通算や控除しきれない損失を純損失として繰越することができますが、会社員の方の週末起業のような規模の場合には、事業所得と主張することは難しいでしょう。

事業的規模で事業を行われている方は、ぜひ税理士に相談をするようにしてください。

 

1-2-9.原稿料、報酬等がある場合(総合課税・雑所得)

執筆の対価としての原稿料やセミナー講師の報酬などは雑所得となります。これまでご説明してきた他の所得とあわせて20万円以下の場合には確定申告をする必要がありません。

原稿料や報酬等を受け取る際には所得税が徴収されています。確定申告が不要であっても確定申告をすることによって所得税が還付できる場合もあります。

報酬の支払者から支払調書をもらった場合には確認をしてみてください。

支払調書

2.確定申告をした方が有利な場合

会社員の方が確定申告をした方が有利となる場合を具体例で7つご紹介いたします。

ご自身に当てはまりそうなものがありましたら確認をしてみてください。

<有利な場合の具体例7つ>

・医療費の支出が10万円を超えた場合
・寄付をした場合、ふるさと納税をした場合
・株式等の譲渡損失がある場合
・住宅ローンで自宅を購入した場合
・年末調整で考慮されていないものがある場合
・自己投資の費用が多額にある場合
・災害、盗難、横領による損失があった場合

<所得控除と税額控除>
税金の制度は非常に複雑です。

 

同じような用語に思われても意味が異なるものもありますのでご注意ください。

 

所得控除とは、所得から一定金額を控除する制度です。配偶者控除や扶養控除、医療費控除、寄附金控除等が該当します。所得から控除されるということは、実際に減額される(還付される)税金は税率を考慮しないとわかりません。

 

所得が高い人ほど多くの税金が減額される仕組みとなるのです。40万円の所得控除の場合、軽減される所得税は所得に応じて2万円から18万円までとなります。

 

一方で税額控除とは、一定金額を所得税から控除する制度です。40万円の税額控除の場合、税額が40万円控除されるのです。

 

税額が少ない方の場合には全額控除できないこともあります。

 

住宅ローン控除のように控除できない金額を住民税から控除可能な制度もありますが、控除不足額の還付を受けることはできません。

 

還付申告の場合、原則として期限がありません。ただし5年を経過してしまいますと時効によって国税の還付請求権が消滅してしまいますのでご注意ください。

参照:還付請求の消滅時効の起算日

平成29年の所得税の還付をする場合、平成34年の12月31日までに確定申告する必要がありますのでお早めの確定申告をお勧めします。

2-1.医療費の支出が10万円を超える場合

年間に支出した医療費の額が10万円を超える場合、医療費控除という所得控除を受けることができます。

参照:医療費を支払ったとき

会社員の方ご本人の医療費だけでなく、ご家族の方の医療費も合算して計算をすることができます。

医療費控除の対象となるものは以下の図の通りです。

医療費控除の対象

病院等の診療所に対する治療費だけでなく、薬代や医療機関への往復交通費(電車、バス、タクシー)、出産費用や一定の介護費用も対象となります。

 

医療費控除の金額は以下の通りです。

支出した医療費等の金額 – 保険金等で補填される金額 – 10万円*

所得が200万円以下の方の場合、10万円に代えて所得の5%となります。

特定の医薬品の購入金額が年間1万2,000円を超える場合には医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制の適用を受けることも可能です。

参照:セルフメディケーション税制

2-2.寄付をした場合、ふるさと納税をした場合

日本赤十字やユニセフ等の一定の団体に対する特定寄附金を支出した場合やふるさと納税をした場合には、寄附金控除という所得控除を受けることができます。

参照:一定の寄付金を支払った場合

学校の入学に関して行う寄付は寄附金控除の対象となりません。

所得控除を受けることができる特定寄付金かどうかは寄付金の領収書又は寄付をした先でご確認ください。

寄附金控除の金額は以下の通りです。

支出した特定寄附金の金額* – 2,000円

所得の4割を超える寄附金をした場合には、所得の4割が限度となります。

政党や政治資金団体に対する寄附金で一定のものは、寄附金控除に代えて政党等寄附金特別控除という税額控除を受けることができます。

参照:政党等寄附金特別控除制度

認定NPO法人に対する寄附金をした場合には、寄附金控除に代えて認定NPO法人等寄附金特別控除という税額控除を受けることができます。

参照:認定NPO法人に寄附をしたとき

公益社団法人に寄附をした場合には、寄附金控除に代えて公益社団法人等寄附金特別控除という税額控除を受けることができます。

参照:公益社団法人等に寄附をしたとき

2-3.上場株式等の譲渡損失がある場合

上場株式等の譲渡損失がある場合、確定申告をすることで上場株式の配当所得の金額との通算を行うことが可能です。

配当所得との通算してもなお損失がある場合には、翌年以後3年間の繰越をすることが可能となります。損をした年の翌年以後3年間の配当所得の金額と譲渡所得の金額から控除することができるわけです。

繰越控除をするためには損失が生じた年の確定申告書を提出しその後連続して確定申告書を提出する必要があるのです。

2-4.住宅ローンで自宅を購入した場合

住宅ローンで自宅を購入した場合、住宅ローン控除という所得税の税額控除を受けることができます。

参照:住宅借入金等特別控除

自宅を購入しようとした場合には必ず話題になる制度ですので、実際にご自宅を購入された方はご存知のことと思います。

住宅ローン控除を受けようとする初年度は必ず確定申告をする必要があります。会社員の方の場合、2年目以降は年末調整で行うことが可能です。

所得が3,000万円を超える年は適用を受けることができません。

平成26年以後に住宅を購入した場合、年末の住宅ローン残高の1%を所得税額から控除することが可能です。住宅ローン控除は40万円が上限となります。

2-5.年末調整で考慮されていないものがある場合

多くの場合、会社が行う年末調整によって所得控除の適用を受けることができます。

どのような所得控除があるのかきちんと理解している方は少ないのではないでしょうか。

知らないがゆえに年末調整で漏れてしまいそうなものをいくつかご紹介いたします。

・配偶者特別控除
・寡婦控除
・寡夫控除
・障害者控除
・扶養控除

2-5-1.配偶者特別控除

配偶者の給与が103万円以下の場合には、配偶者控除を受けることができます。皆さんご存知のことと思います。

配偶者の給与が104万円であっても、配偶者特別控除として38万円の所得控除を受けられることをご存知でしょうか。

一定の要件を満たす場合には、配偶者控除に代えて配偶者特別控除を受けることが可能となるのです。

ところが配偶者に103万円を超えた給与がある場合、会社に『扶養ではない』と届け出ている方が多いのではないでしょうか。それでは年末調整の際には一切考慮してもらえません。

これらをきちんと年末調整で考慮してもらうためには、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』に配偶者の名前と所得を記載する必要があるのです。

配偶者特別控除を受けるためには以下の要件の全てを満たす必要があります。

  1. 会社員の方の所得が1,000万円以下であること
  2. 婚姻届を提出している民法上の配偶者であること
  3. 会社員の方と同じ生計となっていること
  4. その年に青色事業専従者や事業専従者となっていないこと
  5. 他の人の扶養親族となっていないこと
  6. 配偶者の所得が38万円超76万円未満であること*

*今回の確定申告は平成29年分の所得税と思われますので平成29年の場合でご説明します。平成30年以降は配偶者の所得が38万円超123万円以下であることとなります。

会社員の方の所得は、源泉徴収票でご確認ください。

青色事業専従者や事業専従者とは、個人事業主の方の事業を手伝っている方のことをいいます。会社員の方の場合にはほとんど気にしなくて大丈夫です。

配偶者特別控除の金額は、配偶者の所得によって異なってきます。平成29年と平成30年以降の金額も異なります。詳しく知りたい方は国税庁のホームページでご確認ください。

参照:配偶者特別控除

 

2-5-2.寡婦控除

女性の方が以下のいずれかの要件を満たした場合には、寡婦控除という所得控除を受けることができます。

  1. 夫と死別・離別の後再婚をしていない人で、扶養する親族がいる人
  2. 夫と死別した後再婚をしていない人で、合計所得金額が500万円以下の人

会社員の方の場合、合計所得金額は源泉徴収票でご確認ください。給与収入でいうとおよそ688万円以下の方が該当します。

寡婦控除の金額は、27万円となります。

さらに以下の要件の全てを満たす場合には、特別の寡婦として27万円の控除に代えて35万円の控除を受けることが可能です。

  1. 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人
  2. 扶養親族となる子がいる人
  3. 合計所得金額が500万円以下であること

<寡婦控除注意点>
寡婦控除を受けるためには一度婚姻届を提出して正式に結婚していたことが必要です。事実婚の解消や婚姻をしていないシングルマザーは適用することができません*。

これら寡婦の判定は、原則として12月31日の現況によって判断をします。

死別、離別のほか、夫の生死が明らかでない場合も含みます。

*平成30年度の税制改正で対応が検討されています。正式に決まりましたらまたご案内させていただきます。

 

2-5-3.寡夫控除

男性の方が以下のすべての要件を満たす場合には寡夫控除の適用を受けることができます。

  1. 合計所得金額が500万円以下の人
  2. 妻と死別・離別の後再婚をしていない人
  3. 生計を一にする所得が38万円以下の子がいること

寡夫控除の金額は、27万円となります。

寡婦控除よりも要件が厳しいですね。ほとんど特別の寡婦と同じ要件です。

特別の寡婦は扶養親族となる子が条件でした。扶養親族とは扶養控除の対象となる16歳以上の子供のことをいいます。

寡夫控除の場合、生計を一にする所得が38万円以下の子と定義されていますので、16歳未満の子供がいる場合にも要件を満たすことになるのです。

なみに寡夫控除には、特別の寡夫という制度はありません。男女同じルールではないのです。

 

2-5-4.障害者控除

会社員の方が障害者である場合、障害者控除を受けることができます。

一般の障害者の場合、障害者控除は27万円です。

特別障害者の場合、障害者控除は40万円です。

これらはご存知の方が多いことと思います。

特別障害者とは、障害者手帳が1級、2級の方など障害の程度が重い方が対象となります。必ずしも1級や2級の障害者手帳が必要となるわけではありません。詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

参照:障害者控除

障害者控除は納税者本人だけでなく、同一生計の配偶者や扶養親族、16歳未満の子供のうちに障害者がいる場合にも適用を受けることができるのです。これをご存じない方がいらっしゃいます。

障害のある方の所得が38万円以下であることが条件ですのでご注意ください。

同居を常としている特別障害者の方がいる場合には、同居特別障害者として障害者控除が75万円になります。該当する場合には、障害者控除の適用を忘れずに確定申告をするようにしてください。

 

2-5-5.扶養控除

会社員の方でその年の12月31日時点で16歳以上のお子様を扶養している場合、扶養控除を受けることができます。

これも皆さんご存知のことと思います。

年末調整の際に会社に提出する給与所得者の扶養控除等申告書という紙に子供の名前、生年月日を記入していれば問題ありません。

よく漏れてしまうのがご両親や親戚を扶養している場合です。所得が38万円以下の親族を扶養している場合には扶養控除の適用を受けることができます。

扶養控除の金額は、38万円です。

扶養親族のうちその年の12月31日時点で70歳以上の方を扶養している場合には、老人扶養親族として48万円の扶養控除を受けることが可能です。

さらに老人扶養親族と同居している場合には、同居老親等として扶養控除が58万円になります。

同居老親等の場合、同居特別障害者のように同居を常況とする必要はありません。病気の治療のために入院をしているような場合であっても同居しているものと扱っていいことになっています。

参照:扶養控除

ただし、老人ホームへの入居は同居と扱われませんのでご注意ください。

2-6.自己投資、書籍等多額の支出がある場合

会社員の方の場合、給与収入にそのまま所得税が課税されるわけではありません。給与所得控除という自営業の方でいうところの経費を控除して給与所得を計算することになっているのです。

参照:給与所得控除

最低でも65万円の経費が控除されていることになります。給与収入が1,000万円を超える方の場合給与所得控除は220万円が上限となります。

この給与所得控除はいわゆる会社員のための必要経費です。実際に支出した給与を得るための支出が基準金額を超えている場合には、特定支出控除として給与所得控除後の金額からさらに控除をすることが可能です。

対象となる特定支出の金額は以下の通りです。

  1. 通勤の費用
  2. 転勤に伴う転居の費用
  3. 研修や資格取得のための費用
  4. 単身赴任の方の場合で自宅に戻るための交通費
  5. 図書費、衣服費、交際費(年間65万円を限度)

これらの特定支出は給与の支払者から証明を受ける必要があります。会社から補填される金額や教育訓練給付金等の受給金額は控除する必要があります。

特定支出控除を受けることができる基準金額は、給与所得控除額の1/2となります。給与所得控除額については国税庁ホームページでご確認ください。

参照:給与所得控除

2-7.災害、盗難、横領による損失があった場合

不幸にも災害や盗難、横領によって損失が出てしまった場合、雑損控除という所得控除を受けることができます。

参照:災害や盗難などで資産に損害を受けたとき

会社員の方ご本人の損失のみでなく、扶養対象となる配偶者や親族の損失も控除可能です。

詐欺や恐喝による損失は対象となりませんので注意してください。

雑損控除の金額は以下のいずれか多い金額となります。

  1. 所得の10%を超える差引損失額
  2. 災害関連支出 – 5万円

差引損失額とは以下の通りです。
 損害を受けた資産の時価 + 災害関連支出 + 原状回復費用 – 保険金等で補填される金額

災害関連支出とは、災害によって滅失した住宅や家財などを取り壊し・除去するために支出した金額をいいます。

所得を超える雑損控除がある場合には、翌年以後3年間の繰越を行うことが可能です。この制度を雑損失の繰越控除といいます。

災害によって損失を受けた方の所得が1,000万円以下の場合には、雑損控除の適用に代えて災害免除法による所得税の軽減免除を受けることも可能です。

参照:災害減免法による所得税の軽減免除

3.具体的事例で解説!確定申告書の作成方法

それでは実際に会社員の方の確定申告書の作成方法と納付の方法をご案内します。

会社員の方の場合、ご自宅から国税庁のホームページで申告書を作成することをお勧めします。

専門的知識がそれほどなくても、入力を間違えなければ正確な確定申告書を作成することが可能となるからです。

 

それでは早速、平成29年に仮想通貨で億り人となった国税太郎さんの例でご説明いたします。

億り人 国税太郎さん

3-1.自宅で簡単!確定申告書の作成方法

それでは国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスしてください。

参照:確定申告書等作成コーナー

ガイダンスどおりに進んでいけば専門的な知識なしで所得税確定申告書を簡単に作ることができますので、迷いそうなところを中心にご案内します。

手順1

まずは、申告書・決算書 収支内訳書等 作成開始をクリックしてください。

手順2

確定申告をするのが初めての方は書面提出をクリックしてください。

e-Taxによると電子データで確定申告をすることができるのですが、電子証明書の準備やカードリーダーの準備等の準備が必要となり煩雑だからです。

 

パソコンの環境を確認して申告書の選択へ進んでください。

 

手順4

『所得税コーナーへ』をクリックします。

手順5

申告する所得を選んでください。給与以外の所得がありますので、左記以外の所得のある方の『作成開始』をクリックしてください。

生年月日の入力

生年月日等を入力します。

今年初めて確定申告される会社員の方は青色申告の承認を受けていないと思いますのでそこは無視して結構です。

所得、所得控除の入力フォームを申告書の様式をイメージした入力画面を選ぶこともできます。

普段申告書を見慣れている方以外はチェックいれなくて大丈夫です。国税太郎さんも初めての申告ですのでチェックを入れずに次へ進みます。

 

まずは給与を入力しましょう。給与所得の『入力する』をクリックしてください。

源泉徴収票の入力

会社からもらった給与の源泉徴収票をもとに金額を入力していきます。見本のとおりですので迷うことはないかと思います。

源泉徴収票入力2

すべての入力が終わると給与所得の入力内容確認画面が出てきます。この内容でよければ次へ進んでください。

複数の会社から給与をもらっている方の場合には、『もう1件入力する』で同様の入力を続けてください。

雑所得の入力へ

給与所得の入力が終わりました。

雑所得のその他『入力する』をクリックします。

仮想通貨の所得は総合課税の雑所得となります。雑所得は公的年金等とその他の雑所得に分かれます。

雑所得の入力

種目や所得の生ずる場所はそれほど神経質にならなくても結構です。

取得時の時価と売却時の時価の差額が所得となります。皆さん頑張って集計してみてください。

本来ならば収入と必要経費を計算してそれぞれ入力するところでしょうが、説明の便宜上収入金額に所得金額1億2,000万円を入力しました。

給与同様に入力内容を確認して問題がないようでしたら次に進んでください。

他の所得がない場合には、さらに次へ進みます。

所得控除の入力

所得控除の入力画面へ移ります。医療費控除や寄附金控除がある方は忘れずに入力をするようにしてください。

ふるさと納税をやられた方の場合、必ず寄附金控除を入力するようにしてください。

確定申告をしてしまいますとその内容を基に翌年の住民税の計算が行われてしまうため、ワンストップ特例の効果が無くなってしまうからです。

国税太郎さんは年末調整のとおりですので次へ進みます。

税額控除等の入力

税額控除等の入力画面となります。住宅ローン控除などがある方は忘れずに入力してください。

国税太郎さんの場合、所得が3,000万円をこえるため住宅ローン控除の適用を受けることはできません。ガッカリ

何もない方はそのまま次へ進みます。

納付税額の確認

 

納付する税額が自動計算されます。

国税太郎さんの納付税額は、5,165万円となりました。

税金が襲ってくる

総合課税恐るべしですね。

株式等の譲渡は分離課税となっていますので15%ほどで済むのですが、総合課税の雑所得は累進税率ですので所得が高いほど税率が高くなるのです。

 

これで驚いてはいけません。あくまでこの金額は所得税と復興所得税の金額のみとなります。

5月から6月ごろに恐怖の通知が届きます。

住民税のお知らせです。

税金

住民税は所得の10%となっています。所得税と住民税とでは所得控除の金額等で多少の違いがあるのですが、所得税の課税所得×10%で大まかな住民税を覚悟しておいてください。

国税太郎さんの場合、別途1,200万円ほどの住民税を納付しなくてはいけません。

億り人などととても喜んではいられませんね。

 

次へ進むと住民税等の入力が可能です。

仮想通貨で大きな所得が出た方は、住民税の支払方法で必ず『自分で納付』をチェックするようにしてください。

自分で納付

1,200万円もの住民税を給与から差引きで支払える方は限られているのではないでしょうか。

あとはガイダンスに従って入力を続けていただければ問題ないかと思います。心配なのはどうやってこの税金を納付するかですね。

 

3-2.所得税の納付方法

所得税の納付は3月15日が期限となります。納期限に遅れた場合には延滞税等のペナルティが課されることもありますのでできるだけ早めの納付をするようにしてください。

所得税の納付方法は以下の6通りです。

  1. 金融機関や税務署の窓口での納付
  2. 振替納税(銀行口座から自動引落)
  3. クレジットカード納付
  4. ダイレクト納付
  5. インターネットバンキング等
  6. コンビニ納付

現実的なものは1~3の方法になります。

<窓口納付>
金融機関の窓口にいけば通常は国税の納付書がありますので納付が可能です。

金融機関に納付書がない場合には税務署にもらいに行く必要があります。

<振替納税>
振替納税は事前に手続きをする必要があります。3月15日が所得税の納付期限ですのでそれより前に振替納税の依頼書を作成して税務署に提出する必要があります。

振替納税の申込みは以下の国税庁ページをご確認ください。手数料がかからないのと引落日が4月20日頃と先になるのがメリットです。

参照:国税庁 振替納税による納付

3月15日までに納税が難しそうな方は、税務署に振替納税の依頼書を提出しておいて4月半ばまでに納税資金を何とかかき集めるのも方法です。

4月までの納付が難しそうな方は決してほったらかしたりせず、必ず3月15日より前に税務署に納税の相談に行ってください。

分割で納付する等の相談に応じてくれます。

自己破産をしても税金は免責されません。何としても税金は優先的に支払うことをお勧めします。

<クレジットカード納付>
平日は忙しく金融機関の窓口に行けない方にはクレジットカード納付がお勧めです。

決済にかかる手数料の負担は出てしまうのですが、ご自宅にいながら税金の納付をすることが可能となるからです。

クレジットカード納付について詳しくは以下の記事をご参照ください。贈与税の納付方法としてクレジットカード納付をご紹介しております。

『クレジットカードで贈与税を納付する方法』

<その他の方法>

ダイレクト納付やインターネットバンキング等はe-Taxで電子申告されている方は便利と思われますが紙提出の場合は利用できません。

コンビニ納付は使い勝手が最悪です。税務署で専門のバーコード付き納付書を作成してもらう必要があるからです。

詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

参照:国税庁 納付の手続き

4.会社員の方の確定申告注意点

確定申告をする際の注意点として3つご説明をいたします。

4-1.20万円以下の副業も申告する必要がある

給与が2,000万円以下の会社員の方の場合、副業でのアルバイトの収入と他の所得の合計が20万円以下の場合には確定申告をする必要がありません。

『20万円以下であればわざわざ確定申告しなくていいですよ』という趣旨なのです。確定申告をする場合にはこれらの所得も申告する必要がありますのでご注意ください。

確定申告不要のこれらの所得がある方の場合、確定申告をしない方が有利ということもあります。

20万円を超える副業がある場合には確定申告する義務がありますので、有利不利を考えるのではなく原則として全ての所得を申告するようにしてください。

『1.会社員が確定申告をしなくてはいけない場合』でご説明した申告不要の所得についてはこの限りではありませんので、不安な方はこちらも合わせて確認しておいてください。

 

4-2.ふるさと納税をした方は必ず寄附金控除を忘れずに

ふるさと納税をやられている方は確定申告の際に寄附金控除を忘れないようにしてください

ワンストップ特例だから大丈夫と確定申告で寄附金控除をしなかった場合、ふるさと納税で税額が減る効果が無くなってしまうからです。

ワンストップ特例とは、年間のふるさと納税が5ヶ所以下の自治体で、寄付した都度『特例申請書』を寄付先の自治体に提出している場合には確定申告をしなくても住民税から税額控除を受けることができる仕組みです。

ふるさと納税の確定申告については以下の記事をご参照ください。
『ふるさと納税の仕組みと手続きを詳細解説!まずは1万円から始めよう』

 

4-3.株式等の譲渡損失がある場合には繰越控除を忘れずに

源泉徴収ありの特定口座で株式等の売買を行った方の場合、確定申告で株式等の申告をする義務はありません。

年間の株式等の損失が出た場合には確定申告で損失を申告することで、3年間繰越をすることができるのです。3年以内に利益が出た場合、今回の損失と相殺して税金の還付を受けることができるわけです。

株式等の損失の繰越も課税の特例となっています。確定申告をする際に申告をしなかった場合にはやり直しすることができません。確定申告書を提出する前にこれらの損失がないかどうかをよく確認するようにしてください。

 

5.まとめ

会社員の方が確定申告すべき場合と確定申告したほうが有利な場合をご案内いたしました。

給与以外の所得の合計が20万円超ある場合には確定申告をする必要があります。まずは給与以外の所得がどのくらいあるのかを確認するようにしてください。

税金を納付する方の場合、確定申告書の提出と所得税の納税期限は3月15日となります。早めに手続きをするようにしてください。

還付を受けるための申告には原則として期限がありません。ただし5年を経過してしまうと時効によって還付請求できなくなりますのでお早めの申告をお勧めします。

確定申告する際には各種特例の申告を忘れないようにしてください。税の特例は確定申告で適用する旨の意思表示が必要となります。後からやり直しはできませんのでご注意ください。

税金は自己破産しても免責されませんので、優先的に納付をすることをお勧めします。納付が難しい場合には必ず税務署に相談に行くようにしてください。

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